女王に捧げる万能洗剤ラベンダー

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「紫色の妖精」 と讃えられ、日本では薫衣草と呼ばれるラベンダーは種類がたくさんあり、


ざーーーっくり分けるとイングリッシュ系とフレンチ系、これらの交雑種とがあります。



ラベンダーと言われて思い浮かべるラベンダーの代表種は、

真正ラベンダー・トゥルーラベンダー・コモンラベンダーで、イングリッシュ系ラベンダーです。



初夏に開花するこのラベンダーの沼もまた深いです。

ラベンダー(lavender) の語源は古仏語の (lavandre)で、

古代ローマでは入浴や洗濯に用いられていたことから、「洗う」 を意味するラテン語の (lavo) に由来すると考えられています。


また1世紀ごろ、ディオスコリデスが消化不良・鎮痛・傷・火傷・皮膚疾患に推奨して以降、

薬用として生活に定着していったそうです。




ローマ人によって欧州各地にもたらされたラベンダーはその強い殺菌作用からか

中世では悪魔祓いとして、花束をドアや窓に吊るされたとあります。



特にイギリスのエリザベス1世 (1533-1603)、ビクトリア女王 (1819-1901) がこよなく愛し、

エリザベス1世の父ヘンリー8世は、イギリスではまだ

珍しかったラベンダーを王宮庭園で育て、エリザベス1世のためにベッドを作らせたと伝えられています。


戴冠式、ジャムや砂糖菓子など、エリザベス1世のラベンダーに関する逸話はたくさん残っており、


宮廷でラベンダーが行事や薬材や調味料に重用された様子が伺えます。

現在でもその効能と香りで、生活に欠かせないハーブとして利用されています。




また、ラベンダーは 「魔女の女王」 女神ヘカテーに捧げる花でもあります。

3つの体を持ち、松明を持って地獄の犬を連れており、夜の十字路や三叉路に現れる

死の女神、魔術の女神、死者たちの王女と呼ばれる古代ギリシアの女神ヘカテーと

深すぎるラベンダーの世界でした。

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