ミスルトーとドルイドとリンドウ・マン

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昔々、深々と雪の降り積もる冬の夜の森では、聖なる木であるオークの枝に宿るミスルトー (セイヨウヤドリギ) を

古代ケルト族のドルイド僧が採取する厳かな儀式が行われたそうです。

1月のある日、1年に一度の儀式のため

黄金の鎌でオークの木の枝に半寄生するミスルト (セイヨウヤドリギ) を切り落とし採取しました。



古代ケルトではオークの木は

「うちなる世界の入り口」 「神の国への通り道」 「神意を伝える聖なる木」 と考えられており、


稀にオークに寄生する冬でも艶々と透き通った緑色をしたミスルトーに


とりわけ強い霊力を感じていたようです。




飲み物に混ぜて飲むことにより

「聖なる魔法草は全ての病を治し幸運や財宝をもたらしてくれる」 と信じ、様々な治療に役立てようとしたのだそうです。





  1980年にイングランドのマンチェスターにあるリンドウ・モスの泥炭地で発見された


「リンドウ・マン」 も胃袋の中からヤドリギの花粉が数粒見つかりました。




この場所からは他にも遺体が見つかり、それらが丁寧に殺されていることから


この場所が生贄を捧げた場所ではないかと考えられています。


1月6日の儀式の夜、オークに宿ったミスルトーを採取するため

2頭の白い牝牛を犠牲にしオークの木に捧げると、その下では饗宴が開かれました。



白い衣をまとったドルイド僧は、木に登って黄金の鎌でミスルトーを切り落とし採取します。



その際、枝は決して地面に触れてはなりません。

なぜならば地面に触れると神聖なミスルトーの枝は穢れてしまい、効力がなくなるからです。



そのため地上とオークの木の間には白い大きな布が張られ、ミスルトーの枝を受け止め採取しました。

うすく黄色がかった半透明っぽい緑色の実は潰れるとニチャニチャします。


このニチャニチャで宿主となる木の枝にくっつき、大きくなっていくのだそうです。



Yeti のまわりでは桜に寄生しているのを見かけますが、都会など管理されている公園ではすぐに切られて

目にする機会は少ないのが残念です。



ドライブや登山で山にお出かけの際は探してみてね!

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