イモークと女神ブリギットと白鳥の王子

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2月の初めヨーロッパでユキノハナ (スノードロップ) が咲き始めると、冬が終わり春がやってきます。



”春咲球根植物のなかではとくに早咲きで、植物の周囲から雪がとける時期に咲き、
春告草 (はるつげぐさ) として愛されている。
栽植されるものにはオオユキノハナG.elwesii Hook. (英名giant snowdrop)
トルコ原産、白花で花弁の内側に緑斑、草丈約20cm、開花期2月”

そして、大地の雪が溶け種を蒔く準備が整った頃、

癒しと健康・正義や変革の女神ブリギットを讃えるイモークまたはインボルグ (“雌羊の乳”という意味) の祭りが行われます。




また女神ブリギットは井戸を象徴し、

泉や井戸から湧き上がる水の力はブリギットの癒しの力と考えられていました。



ほかにも、火・太陽・鍛治・豊穣・家畜・自然・詩の女神でもあります。



象徴されるものの多さは、女神の名がアイルランド語の 「崇拝されるもの」 「高貴なもの」 に由来しており、


中でもとりわけ羊の出産の季節や乳に大きな役割を担っています。



それは子羊が生まれるとインボルグが近いと言われたことによるからなのです。



他にもブリギットはなくしものをした少女を慰めるために、呪術を使って鳥を作り出したり、

予言とも深い関わりのある広く信仰された不思議な女神です。

ブリギットが帰還するこの日に魔女たちは火を灯してブリギットを迎え、

女神のためにナナカマドの木を捧げました。



魔女たちは雪解けと長くなっていく日照時間に再生を感じ、


自分自身の 「春の大掃除」 として悪魔よけの草 「ネトル」を飲んで、冬の間に溜まった体の滞りをデトックスしたそうです。



ネトルは雷除け・悪魔よけ、ハーブティーに、丈夫な繊維は帆布やロープにまで利用されました。



アンデルセン童話 「白鳥の王子」 に出てくる末の妹の王女が


「王子たちを白鳥から人間に戻すために編んだ服」 の材料がトゲトゲの植物「ネトル」だったんですね〜🦢


子供の頃ネトルの代わりにクローバーで編んで、「布じゃない ! 着れないじゃん !!! 」 と、思った人は私だけじゃないはず…?

末娘、魔女狩り危機一髪☠️