ヴァルプルギスの夜はBBQ

on

April




ベルテーンの祭りはホーソン (モノギナ・一蘂山査子サンザシ) の花が満開になる頃、

4月の末日の日没から行われます。


それと同時にこの日は魔女の祭りの日でもあり、「ヴァルプルギスの夜」 として有名です。



祭りの日、慈善と治癒の太陽神アポロ・ベレヌスが


夜の森でさえも眩い、光り輝く若く立派な牡鹿の姿になって戻ってくると伝えられています。



この祭りは復活し日照時間の伸びた太陽が、放牧地の家畜や作物の育成を促すことを祝うものです。



大きな焚き火を焚き、その火の間に家畜を追い通し無病息災を祈り、焚き火の灰は畑に撒かれました。



4月30日の夜、ブロッケン山にあらゆるところから魔女たちが集まり、盛大にかがり火を焚き手を組んで一番鶏が泣くまで踊り明かす祝宴が行われます。





ケルトの伝承ではヴァルプルギスの夜は魔女だけでなく、大小様々な妖精たちも森に集まりパーティーを開き、この時ブロッケン山周辺の山々の植物は不思議な力で光り輝くと言われています。



ブロッケン山周辺ハルツ地方では魔女が春を連れてくると考えられ、「春迎えの祭り」 として今も魔女祭りが行われているそうです。



夜になると箒だけでなく電車も使ってワラワラと集まってくる魔女と悪魔。 

甘いワインにソーセージ。 最高です。




ですが、ぜひお守りも持っておきましょう。 妖精に悪戯されないように、魔女に悪さをされないように。



タッジー・マッジー 


タッジー・マッジーは中世ヨーロッパで疫病が流行した時代に殺菌・抗菌・防臭・魔除けのためにハーブを集めて作った花束です。

ルー (悪魔を制する)・ローズマリー (聖なる草)・ディル (魔除け草)・ネトル (魔法を解く草)・セントジョンズワート (

セイヨウオトギリソウ) など殺菌効果の高いハーブ、香りの良い花を合わせて作られます。


人間の世界とは異なる色々な世界のものたちが現れる時期、あなたを守ってくれるはずです。


Yetiの家に咲いてる花で作ってみました


   ホーソン(サンザシ)

古代ギリシャではホーソンは希望の象徴とされ、小枝が結婚式の祭殿に飾られていたとされています。

キリストの荊冠ケイカンはホーソンと伝えられており、荊冠で飛び散ったキリストの血がホーソンを清めたとされ、中世では厄除けや、傷、はれを治すとされました。英国グラストンベリーのホーソン(モノギナ)は、キリストの血を受けたとする聖杯を持ったアリマタヤのヨセフが丘に挿した杖が根づいたものとされています。


日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第42号 2017年12月